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線状降水帯

band-shaped precipitation systems

住明正(東京大学教授)

青木孝((株)ウェザーニューズ )

発達した積乱雲がいくつも直線的に並んで、数時間あるいはそれ以上も同じ場所に停滞して大量の雨を降らせる雨域のこと。線状降水帯の大きさは幅が20~50キロメートルで長さは50~200キロメートル程度である。鬼怒川が氾濫して大きな被害を受けた平成27年9月関東・東北豪雨(2015年)をはじめとして、日本国内の集中豪雨の3分の2は線状降水帯によって発生している。線状降水帯はバックビルディングと呼ばれる現象により、既存の積乱雲の風上側に次々に新しい積乱雲が発生して形成されることが多い。線状降水帯は上空約3キロメートルの高さの湿った気流に沿って延びるが、たとえば上層で南風、地面近くの下層で南東の風といったように、上層に比べて下層の湿った気流の向きが反時計回りに変化しているときには大量の水蒸気が送り込まれて線状降水帯が発達しやすい。線状降水帯は低気圧や前線に伴って発生するほか、台風の中心から離れた周辺地域でも暖湿気流が流入することで発生する場合もある。
(2016.3)

著者情報

東京大学教授

住明正

すみ あきまさ

1948年生まれ。東京大学理学部物理学科卒。理学博士。気候システム研究センター長などを経て、東京大学サステナビリティ学連携研究機構(IR3S)地球持続戦略研究イニシアティブ(TIGS)統括ディレクター、そののち、国立環境研究所理事、理事長。任期満了を受けて、現在、東京大学サステナビリティ学連携研究機構(IR3S)特任教授。主な著書に『地球温暖化の真実』(1999年、ウェッジ選書)、『さらに進む地球温暖化』(2007年、ウェッジ選書)、『気候変動がわかる気象学』(2008年、エヌティティ出版)、監修に『考えよう地球環境(1)~(7)』(2004年、ポプラ社)、 『地球環境とわたしたちの暮らし』(2008年、実業之日本社)など多数。

(株)ウェザーニューズ

青木孝

あおき たかし

1946年生まれ。気象大学校卒。理学博士。気象予報士。主な著書に『いのちを守る気象学』(2003年、岩波書店)、『社会地球科学』(共著)(2011年、岩波書店)、監修に『図解 気象・天気のしくみがわかる事典』(2009年、成美堂出版)など。

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