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警戒レベル

饒村曜(気象予報士)

 台風や豪雨などの災害に際して、その地域の住民が取るべき避難行動を直感的に理解できるよう、災害の危険度を5段階で伝えるもの。警戒レベル2までは気象庁が防災情報として発表する段階で、警戒レベル3以上は自治体が避難情報を発令する段階。2018年の西日本豪雨時に、災害についての情報が分かりにくかったという指摘を受けて、翌19年5月に国が導入。21年5月の災害対策基本法の改正に伴い、大きく内容が変更された。

 最も低い段階の警戒レベル1は気象庁が発表する防災気象情報で「早期注意情報(警報級の可能性)」など。これは、5日先までの間に、警報級の暴風や豪雨等が起きる可能性が高い、あるいは高くはないが一定程度の可能性があることを示す。最新の防災気象情報等に留意するなど、災害への心構えを持つことが必要となる。

 警戒レベル2は、防災気象情報の「大雨・洪水・高潮注意報」。ハザードマップなどを参考に避難先や避難経路などを確認することが必要とされる段階。市町村の対応は、連絡要員の配置や、避難準備・高齢者等避難開始の発令を判断できる体制の構築である。

 警戒レベル3は自治体が「高齢者等避難」を発令する段階で、災害が想定される地域では高齢者や障害のある人が危険な場所から避難することが求められる。それ以外の人も状況に応じて避難の準備をしたり、自主的に避難するべきタイミングとされている。気象庁が発表する防災気象情報では、「大雨警報」、「洪水警報」や「氾濫警戒情報」に相当する。レベル3は、21年5月の変更前は「避難準備・高齢者等避難開始」となっていたが、高齢者の早期避難を促すために「高齢者等避難」となった。

 警戒レベル4は「避難指示」の段階。21年5月の変更前は「避難勧告」と「避難指示(緊急)」に分かれていたが、違いが分かりにくいなどの指摘が多かったことから「避難勧告」は廃止され、「避難指示」に一本化された。防災気象情報で言えば、「土砂災害警戒情報」、「氾濫危険情報」、「高潮警報」、「高潮特別警報」などに相当する。すべての人に危険な場所からの避難が求められる。

 最も危険な警戒レベル5「緊急安全確保」は、21年5月の変更前は「災害発生情報」であった。防災気象情報で言えば、「大雨特別警報」か「氾濫発生情報」に相当する。すでに災害が発生しているか、あるいは切迫している段階であり、危険な区域からまだ避難していない場合は、命を守るための最善の行動が必要であり、すでに避難している人も最大限の警戒が必要となる。

 

著者情報

気象予報士

饒村曜

にょうむら よう

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後、気象庁に入り、予報官などを経て、1995年の阪神・淡路大震災のときは神戸海洋気象台予報課長を務める。その後、福井・和歌山・静岡地方気象台長、東京航空地方気象台長として勤務。気象庁を退任後は青山学院大学非常勤講師などを務めた。著書に『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社、2015年)など。

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