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そもそも在日米軍基地は抑止力になっているのか?

布施祐仁(ジャーナリスト)

殿垣 在日米軍基地の存在意義を説明する時、政府は「抑止力」という言葉をよく使っています。実際、中国や北朝鮮に対して抑止力になっているのでしょうか。

布施 抑止力というのは、例えば、(敵が)日本を攻めて(日本から)反撃を受けた時に、壊滅的な被害を受けるので、攻めるのをやめようとして踏みとどまる。これが抑止力の考え方です。したがって、日本が抑止力を高めるために軍備を増強すると、相手側もそれを打ち破ろうとして軍備増強をする。いわば軍拡競争が起こり、非常に緊張が高まったりします。「安全保障のジレンマ」と呼ばれるそうした側面が一つあるということをしっかりと考えなければいけない。
 さらに、今の日本政府は、「北朝鮮や中国を脅威であるとして、日米同盟を強化しなければいけない」という。「日米同盟を強化してより一体化することで抑止力が高まり、むしろ日本は平和になる、戦争が起こらないようにする」と説明している。しかし、米軍と一体化するということが、本当に戦争を起こらなくさせているのかということを、良く考える必要があると思います。
 実際、トランプ政権は武力行使を含めたあらゆる選択肢を排除しないと言っています。もし仮に米軍が北朝鮮に先制攻撃をして米朝間の戦争になったら、(日本は米軍と)一体化しているわけですから、日本もその戦争に巻き込まれていくわけです。そういうリスクがあることについて、安倍政権は一切説明をしていない。これは非常にアンフェアだと思う。
 抑止力の問題を考える場合には、抑止力が強化されるという面と、そのことによってアメリカの戦争に日本が巻き込まれるリスクがあるという面が、コインの表裏のようにある。やはりそのリスクを考えるべきだと思います。

著者情報

ジャーナリスト

布施祐仁

ふせ ゆうじん

1976年、東京都生まれ。『ルポ イチエフ 福島第一原発レベル7の現場』で平和・協同ジャーナリスト基金賞、JCJ賞を受賞。三浦英之氏との共著『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』で石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。著書に『日米密約 裁かれない米兵犯罪』『経済的徴兵制』、共著に『主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿』などがある。
イミダスの連載「伊勢崎賢治・布施祐仁に聞く『日米地位協定と主権なき日本』」はこちら!

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