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連載

普通(17歳・Yさん)

第21回

Colabo(一般社団法人)

私が産まれる前に親は離婚して母子家庭になりました。
私の母はパニック障害でした。
私の母はうつ病でした。
私の母は自殺をしました。
私は父子家庭になりました。
私は高校を中退しました。

私の人生って普通なのかな? って問いたくなる。
けどみんな大変なんだよって言われる。
じゃあこれは普通なんだって自分に言い聞かせる。
けど今は普通に過ごしていると思う。
自分の中の普通と過ごしていると思う。

私は生まれてからお母さんだけが普通でそれなりに楽しかった。
パニック障害って言っても見た目は普通だし、強いて言えば電車に乗れない、狭い部屋やエレベーターが乗れないって感じで生活に支障はなかった。
移動も基本的に車。お母さんは免許は持ってたけど運転してる姿は1回しか見たことない。ハンドルをめちゃくちゃ握りしめてて不安でしかなかった(笑)。
運転してくれるのはお母さんの友だち。何というか、高校の時バイト先で出会ったらしいんだけど私がジジって呼んでるほどおじいちゃん? ってな感じで。
まぁ物心つく前からジジに病院とかお出かけとか連れてってもらうのが普通だったし楽しかったし、ジジの娘や孫、親戚とかとも仲よくてほんとに友だちだった。

お母さんは毎日いっぱい薬飲んで家では泣いてて外では明るかった。
みんなパニック障害って知らないんだろうなって。
誰とでも仲よくしてて、お母さんのおかげで私も明るい性格になれたんだと思う。

お母さんが自殺したのは私が中1の時。
毎日死にたいって言ってた。
でも(私が)高校卒業するまでは頑張るからねってずっと言ってた。
私はほんとに死なないだろうって思ってた。
おやすみって言って寝た。
次の日お風呂場で首を吊っていた。
その時心に穴が開くってことを経験した。
当たり前にいる存在がいなくなるって涙が出ないほどつらかった。

お母さんは私が寝てる時にぎゅーってしてきてもう寝れない! うざい! って思ってた。
今思えば私のことが大好きでしてたんだって思う。
お母さんは、いじめられたら言うんだよ! 殴りにでも行くから! 絶対言いなさい! ってしつこかった。
お母さんが出なくてもいいようざいな! って思ってた。
今思えば私のことが大好きでしようとしてた行動だったんだって思う。

お母さんは私が1回家出をした時外で探し回ってくれて、警察に連絡しようとしてたんだからね! ってすごい怒られた。私のことが大好きで大好きで心配してくれてたんだと思う。
全部全部その時は分からなくて私も大好きだって伝えてなくてありがとうってごめんねって伝えてなくて今思えば、なんて遅くてこの後悔は一生消えないと思う。

それからお父さんと暮らすことになったけど、全然帰ってこない、料理洗濯掃除は自分たち(妹と兄)。
180度生活が変わった。
お母さん側のおばあちゃんにもご飯を作ってもらってたけど兄弟喧嘩をしたら怒られてお父さんに育ててもらいなさい、こっちはご飯を食べさせてあげてるんだからって。孤児院に行かせればよかったって。

あぁ、なんだこの生活抜け出したい、なんで私が、って思って家出をしたことがあった。
お父さんには怒られず、高校卒業するまでの我慢だからって言われた。
周りには、何親に迷惑かけてんの! って言われた。

私は知ってる。
お母さんに愛されてたから。愛されることを知ってるからお父さんが今私を愛していないこと。
お母さんが心配してくれたから。心配されることを知ってるからお父さんが心配してないこと。
お父さんが帰ってこないのは私に興味が無いっていうこと。
親だからって言葉は意味の無い言葉だということ。

学校もつまんなくて。別にいじめられてるわけでもないし、それなりに友だちがいて、それなりに楽しそうに見えてたと思う。
でも話してると疲れる。楽しくない。遊ぶとか言いながらずっと愚痴を聞かされ、行かなくなった。

お父さんは心配してない。全部全部お前が自立するためにしてることだって。
もうそうなんだって思うしかない。
考えるのがだるい。
私が片頭痛で辛いって言った時、お母さんみたいだなって言われた。今にもため息をつきそうな顔で。
その時思った、あぁ私は離婚した女の、別れた女の子どもだもんね。そりゃあ好きになるはずもないわ。

お父さんが帰ってこない時間どこに住んでるのか、どこで働いてるのか、今何してるのかこの4年間ずっと知らないし聞いたこともない。

あぁ、お母さんに会いたいな。
大好きだよって伝えたい。

著者情報

一般社団法人

Colabo

コラボ

『すべての少女が 「衣食住」と「関係性」を持ち、困難を抱える少女が搾取や暴力に行き着かなくてよい社会』を目指して活動する非営利団体。2011年に仁藤夢乃を代表として設立。10代の少女たちと支援する/される関係ではなく「共に考え、行動する」ことを大切にしており、虐待や性暴力被害を経験した10代の女性たちとともにアウトリーチや、虐待や性搾取の実態を伝える活動や提言を行っている。

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