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経済万華鏡

2014年のヒト・モノ・カネ、ヒトの復権はなるか?

浜矩子(同志社大学大学院ビジネス研究科教授)

 2014年が始まりましたね。どんな年になるのでしょうか。グローバル経済の3大主役がヒト・モノ・カネです。主役たちはどう動き、どう動かされることになるでしょう。

 そもそも、ヒト・モノ・カネとは、よくいったものです。この順序は正しい順序だと思います。
 なぜなら、3大主役の中で、元来、最も大スターなのが、ヒトであるはずです。何しろ、経済活動は人間の営みです。人間ドラマなのです。ですから、当然、最大の主役を張るのは、ヒトであってしかるべきところです。ヒトがつくり出すモノがそれに続く。そして、ヒトのモノづくりを助けるためのカネが最後に控える。これが正しい順序なのだと思います。

 ところが、現実には、少々事情が違います。
 グローバルな経済社会において、最も出しゃばっているのは、どうもカネです。カネが一番大きな顔をしている。それにモノが続いて、ヒトは最も後回し。現実には、このような関係になっている。どうも、そう言わざるを得ないと思います。
 そもそも、こうなってしまっているところに、大きな今日的問題があるといえるでしょう。ですが、それはそれとして、現実に即してみれば、2014年の展望も、カネから始まることとならざるを得ないでしょう。

 2014年におけるカネの世界には、どうも大きな異変がありそうです。
 アメリカの量的緩和が終焉に向かう中で、カネの流れが激変するかもしれない。この読みで、世界の金融市場が揺れ始めています。投資資金の流入先細りを恐れて、新興諸国が資本流入規制を緩める態勢に入っています。
 つい先頃まで、彼らはカネの流れ込み過ぎに手を焼いていました。大量の外資が経済のバブル化をあおるからです。ただ、そんな悩みのタネではあっても、やはり、このカネの洪水こそ、実は、彼らの成長力の源泉だったのです。それが途絶えると、彼らは一気に苦しくなります。

 モノの世界はどうでしょうか。
 これも異変含みです。IMF(国際通貨基金)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事が、年明け早々に世界的なデフレ深化の懸念を表明しました。日本では、デフレ脱却間近であるかの言い方も聞こえます。
 ですが、それはとんでもない勘違いかもしれないのです。

 こんな中、ヒトの世界は、どうもひときわ寒さが身に染みることになります。
 回復の兆しありといわれるアメリカ経済においても、残る問題はヒトの問題です。生産が伸びても、どうしても、それに見合っては雇用が伸びません。そして、地球経済の津々浦々で、賃金が上がらない状況が続いています。
 ヒトが地球経済をリードする時は、果たして、やってくるのでしょうか。
 さもなければ、2014年も、そしてその先もまた、なかなか明るい展望は開けるはずはありません。ヒトの復権なるか。ヒトのモノづくりをカネがアシストする。この関係は復活するのでしょうか。
 ここが2014年のグローバル経済の勘所です。そして、グローバル経済の存立の要です。注目していきたいと思います。

著者情報

同志社大学大学院ビジネス研究科教授

浜矩子

はま のりこ

1952年生まれ。一橋大学経済学部卒。三菱総合研究所ロンドン駐在員事務所長等を経て、現在に至る。『グローバル恐慌』『スラム化する日本経済』『ユニクロ型デフレと国家破産』『浜矩子の「新しい経済学」~グローバル市民主義の薦め~』など多数の著書がある。

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