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一語千金

サミット(主要国首脳会議)

[Summit Conference]
「閉鎖性」に非難の声も

玉手義朗(エコノミスト)

「東京六大学リーグ」は大学野球の代名詞だ。1903年の早稲田と慶應の対抗戦を出発点とし、明治、法政、立教が順次参加、25年に東京大学が加盟して現在の構成となり、人気、実力共に大学野球を牽引する役割を果たしてきた。
 しかし、100年を超える歴史を持ちながらも、構成大学に変更は一切ない。新規加盟を求める大学は数多くあったが、東京六大学リーグは新規加入を頑なに拒んできたのだ。
 サミット(主要国首脳会議)も、当初は6カ国でスタートしている。75年1月、石油ショック後の世界不況を打開すべく、フランス大統領だったジスカールデスタンの呼びかけで始まった首脳会議で、フランスの他に、アメリカ、イギリス、日本、ドイツ(西ドイツ)、イタリアの計6カ国が構成メンバーだった。第1回の開催地はフランスのランブイエ、以後、主催国を持ち回りで変えながら、毎年1回開催されてきた。サミットという呼び名は、各国首脳を山の頂に例えた通称だ。
 サミットでの討議は、その発足の経緯からもわかるように経済問題が中心で、スタート当初は「エコノミック・サミット」と呼ばれていた。ところが80年代に入ると、アフガニスタンやイランの問題が討議の対象となるなど、政治問題も取り上げられるようになる。そして、近年ではエイズや麻薬、テロの他、地球環境問題などについても、幅広く討議されるようになった。こうした中、「エコノミック」という言葉は自然消滅してしまっている。
 世界経済のグローバル化と多様化が進む中にあって、サミットの正式な参加国についてはほとんど変化がない。第2回のサミットにはアメリカの推薦でカナダが加わり、77年にはEU(欧州連合)の前身であるEC(欧州共同体)が参加している。しかし、それ以降はロシアが97年から参加しただけで、世界経済で重要な役割を占めるようになった中国ですら、招待国としての参加にとどまっているのだ。
 参加国を増やすべきという意見も少なくない。2008年7月に日本が議長国となって開催される洞爺湖サミットを前に、フランスのサルコジ大統領は、参加国の拡大を福田康夫総理に提案した。サルコジ大統領はかねてから、中国にインド、南アフリカやメキシコ、ブラジルなどをサミットに参加させるべきだと主張してきたのだった。これに対して福田総理は、サミットは少数の首脳による率直な意見交換の場であるべきだとして、賛同しなかったという。
 東京六大学リーグに加盟したいという大学も多かったが、結局は6大学のまま。加盟できない大学は首都大学リーグなどを結成して、独自の活動を続けている。しかし、長い歴史を持つ東京六大学リーグは、それぞれの分野に一つしか与えられず、日本全国の頂点に立った人やチームに与えられる「天皇杯」が、東京六大学リーグの勝者に与えられているという不公平さを指摘する声も出ている。
 30年を越える歴史を刻んできたサミットだが、その閉鎖性が批判にさらされることも多い。また、先進国が集まって自らの利益を確保するために行われているとの批判から、反グローバリズムを主張するグループが、サミット会場周辺で大規模な抗議行動を展開するようにもなっている。限られた参加国で討議を続けるべきなのか、そして、どんなテーマを討議するべきなのか…。
 サミットは今、大きな岐路にさしかかっている。

著者情報

エコノミスト

玉手義朗

たまて よしろう

1958年生まれ。筑波大学卒。東京銀行、マニュファクチュラース・ハノーバー銀行などで、外国為替取引に携わる。その後、テレビ局で経済部デスクなどを経て、現在はフリー。著書に『円相場の内幕』(1995年、集英社)、『経済入門』(共著、2004年、ダイヤモンド社)がある。

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